桂枝加芍薬湯(今日堂薬局で購入できる漢方薬 05)

おなかの痛み・張り・けいれん感をやわらげる漢方薬

 

桂枝加芍薬湯とはどんな薬?

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は、漢方の古典である『傷寒論(しょうかんろん)』にも記載されており、古くから胃腸の弱い方に重宝されてきました。

主にお腹の緊張をほぐし、腹痛や下痢、便秘などの「お腹のトラブル」を改善する代表的な漢方薬です。ベースとなっているのは、風邪の初期などに使われる「桂枝湯(けいしとう)」です。その構成生薬である「芍薬(シャクヤク)」の量を増やした(加えた)処方であることから、この名前がついています。

芍薬には「筋肉の急激な緊張を緩めて痛みを和らげる作用(筋肉のけいれんを止めるイメージ)」があります。そのため、過剰に緊張して動かなくなったり、逆に過敏に動きすぎたりしている腸の動きを正常に戻す働きをします。過敏性腸症候群(IBS)をはじめとする腸の不調に広く用いられる処方です。

 

こんな症状・お悩みに向いています

主に、腸の過剰な緊張と痙攣を和らげる(鎮痙・鎮痛作用)下痢と便秘の両方にアプローチできる(便通の正常化)、ストレス性の胃腸トラブル(過敏性腸症候群:IBS)に有効で、虚弱体質や冷え性の方にも適した優しい作用が特徴です。

主に「比較的体力がなく、お腹が膨満感(ガスが張る感じ)を伴って腹痛があり、下痢や便秘傾向がある」といった、胃腸の機能が乱れている方に適しています。具体的には、以下のような症状によく用いられます。

  • 過敏性腸症候群(IBS): ストレスや緊張でお腹が痛くなり、下痢や便秘を繰り返す症状にとてもよく使われます。
  • しぶり腹(裏急後重): 便意があってトイレに行っても、すっきり出ずに残便感があり、またすぐにお腹が痛くなる状態です。
  • 急・慢性胃腸炎: お腹のゴロゴロ感や、痛みを伴う胃腸の乱れ。
  • 体力があまりない人の腹痛: お年寄りやお子さんの腹痛やおなかの不調にも。

体力が普通~やや低下気味で、おなかが冷えやすく、さしこむような腹痛や張りを繰り返す方に向いています。下痢にも便秘にも使える点が特徴で、過敏性腸症候群(IBS)の方に使われることも多い漢方薬です。痛い時だけにのむというよりは、生活習慣や食養生と組み合わせて症状が落ち着くまで継続的に用いることをお勧めします。

桂枝加芍薬湯は即効性というより、腸の過敏な動きを整えていく漢方です。体質判断が大事で、実証タイプの便秘(がっちり体型で便が硬い)や、熱を持つ炎症性の腸疾患などには合わない場合があります。なお「甘草」は、大量に服用したり長期間続けると、まれにむくみや血圧上昇(偽アルドステロン症)を引き起こすことがあります。

 

どういう風に効くの?(構成生薬)

桂枝加芍薬湯は、5つの生薬(桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草)で作られています。最大の特徴は、名前の由来にもなっている「芍薬の多さ」です。

  1. 腸のけいれん(異常な動き)を鎮めて痛みを止める: 増やし加えられた芍薬(シャクヤク)と、痛みを和らげる甘草(カンゾウ)の2つの生薬の働きで、過敏になってギュッと収縮している腸の筋肉を優しくゆるめます。これにより、突っ張るような腹痛や下痢を落ち着かせます。(※足がつったときに飲む「芍薬甘草湯」と同じ、筋肉をゆるめる仕組みです)
  2. お腹を温めて調子を整える: 桂皮(ケイヒ=シナモン)や生姜(ショウキョウ)が、冷えて働きが悪くなった胃腸を優しく温め、血流を良くして消化器全体のバランスを整えます。

 

効能・効果

体力中等度以下で、腹部膨満感のあるものの次の諸症:しぶり腹、腹痛、下痢、便秘

 

桂枝加芍薬湯は生薬の特性を生かした漢方薬ですので、あなたの体質や症状を考えて正しく服用することが大切です。

あなたの病気を早く治すため、お薬の服用に際しては、ぜひ今日堂薬局でよくご相談ください。

 

追加情報

  • 過敏性腸症候群(IBS)とは?

検査をしても明らかな異常が見つからないのに、腹痛・下痢・便秘・膨満感などが繰り返す状態です。ストレスや緊張が引き金になりやすく、「試験前や大事な日におなかが痛くなる」という経験のある方は少なくありません。決して珍しい病気ではなく、適切なケアで症状をコントロールすることができます。

  • 下痢・便秘のどちらにも効く理由

この漢方薬は、下痢止めでも便秘薬でもありません。「腸の過剰な緊張をほぐして、本来の正しい動きに戻す」薬です。そのため、腸が過敏で下痢をしている人には動きを穏やかにし、腸が緊張で固まって便秘になっている人には便を送り出しやすくする、という両方の効果が期待できるのです。

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